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能代スレ 3
897: 11/30 22:55 43.73.147.124.dy.bbexcite.jp 「野球やめるなんて、父さん絶対に許さねぞ!!」 遅めの晩飯間、口から米粒を飛ばして父は立ち上がった。 手に握られたフォークの先にはミートボールがふたつ刺さっていた。 「甲子園の初戦敗退ぐれ、なしたって? オメェ父さんど約束したべ? 必ずプロのマウンドさ上がるって。あれは嘘だったんだが?」 母は静かに席を立ち そのまま部屋を出た 「…無理だよ父さん。」 「なして?」 2年生での初甲子園。 県で無敵だった自分のストレートは、全国レベルに全く通じずボロ敗けした。 父の提案でフォークボールを投げる練習をした、試合後から毎日毎日毎日。 豆が出来て破れ、指の形も変わった。痛みでフォームも崩れ、ストレートの球威ははどんどん落ちていった。けど練習は変えなかった。 3年生の県大会決勝で完全試合が達成できた時に、ついに俺の新兵器は完成した! だけど、臨んだ甲子園初戦。 先頭打者に決め球のフォークをスタンドまで運ばれ、挙げ句に結果は16対0だった。 「これから先、頼る武器も無いままマウンドに上がる投手の気持ち…甲子園に出たこともない父さんなんかには、絶対に理解できねーよ!!!」 ガタン 言い放って部屋を出ようとした俺の頬をかすめて ヒュッ ガジャーン 父が投げた白球が花瓶を割ったのだ。俺の感情はその一瞬で爆発し、次の瞬間には床に転がる球を拾い、 振り向き様、全力で投げつけていた。 もちろん当てるつもりはなかったのだが、割れた花瓶の水が、踏み込んだ脚を滑らせた。 練習の癖でとっさに握ったV字の指から、変な角度で放たれた豪球が、父の顔面を襲う! 「はうッッ」 顔の前で構えた父の両手の遥か下、俺のフォークボールが父のミートボールに刺さっていた。 振り返ると母がいた。「ジャスト ミートォ」 「母さん…(しばらく自分の指を見て)野球…続けてみようかな。」 母は黙って頷いた。 「あれ母さん?…着替えてどっか出かけるの?」 うん。父をまたいだ母は、振り返ると少女のようにあどけなく微笑んだ。 「体育館さ、ハピネッツ見に。」
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