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男鹿スレF
367: 8/5 21:18 slkKJW/w 彼女が目を閉じたので、病室の電気を暗くした。それでも病院のすぐ近くで花火が打ち上げられていたので、
その爆音と、夜空を焦がす光彩は、容赦なしに病室に飛び込んでいた。
彼女の耳にそれが届いていないはずはなかった。
早く終わってくれないか。
その時、私の脳裡に花火を見上げて、嬉しそうに笑っている若い男女の姿など想像もできなかった。
圧倒的な数の花火の見物客。彼等にとってその夏は忘れ得ぬしあわせのメモリーかもしれなかったろう。
しかしそのすぐそばで、沈黙している男女が存在するのを知る人はいない。それが世の中というものである
さよならの力 大人の流儀7
作者: 伊集院静
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