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過去ログ倉庫@秋田ring

国政について議論するスレ(2)
640: 5/7 20:43
アベノミクスがまだわからない人へ
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アベノミクスは金融政策がすべてといってもいい。そのキモは驚くほど簡単だ。ひとことでいえば、
デフレ予想からインフレ予想への転換だ。人々のインフレ予想率を高めるわけだ。

ポイントはインフレ予想
どういう経路をたどるかと言うと、マネタリーベース(中銀当座預金と中央銀行券の合計)を増やすと
インフレ予想が高まる。すると、実質金利(名目金利マイナスインフレ予想率)が下がり、株価(株高)
と為替(円安)に効く。これは早く出る。今はその最中だ。円安になると輸出は半年から1年半ぐらいの
間に増加し、株高になると消費は半年から1年半ぐらいの間に上向く。

実質金利が低下するので、設備投資は半年から2年ぐらいの間に伸びる。輸出、消費と設備投資が伸びて
くると、ようやく物価や賃金が上がる。ここまで約2年間だ。設備投資について、企業は内部資金を最初に
使うから、外部資金を借りるまでには時間がかかるので、3年ぐらい経たないと貸出は増えない。
そうなると金利も徐々にあがるだろう。

ここで、ポイントになっているのは、マネタリーベースを増やすとインフレ予想が高まるということだ。
実質金利が下がると、円安、株高になるのは従来の経済理論でもわかる。輸出、消費、設備投資が伸びるのも、
従来の経済理論だ。要するに、マネタリーベースを増やすとインフレ予想が高まるのかという点だけが、
ちょっと怪しいところだった。

筆者は、こうしたメカニズムを1998年から2001年までプリンストン大学で学んだ。あとでクルーグマンに聞いたら、
プリンストンは金融政策の研究ではトップで、世界的な権威が集まっているとのことだった。彼は冗談めかして、
プリンストンはインフレ目標陰謀団の本拠地であるといっていた。毎週開かれる金融政策のセミナーで、ベン・バーナンキ、
アラン・ブラインダー、ウィリアム・ブランソン、マイケル・ウッドフォード、ポール・クルーグマンらは、
日本をやり玉にあげながら、喧々諤々の議論をし、日本のデフレへの処方箋を語り合っていた。

世界トップクラスの経済学者がいうのだから、3年間は貴重な体験だった。2001年に日本に帰国した筆者にとって、学術的な議論は
もう必要なく、早く実行すべき政策課題だった。
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