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過去ログ倉庫@秋田ring

大仙市H
253: 4/25 0:22
秋田県大仙市。100億円の補助金を費やして整備した水田の一部が、巨大な商業施設「イオンモール大曲」に変身した。
地元自治体は国の補助金を得て1975年から一帯の整備を始め、きれいに整った長方形の水田ができあがった。
だが農家は農地の用途を変えてイオンに貸し出した。農業の競争力を高める目的で巨額の資金を投じたが、
結果は商業施設の整地だ。農家は補助金の一部を国に返したが、その額は400万円だ。
同じような事例はいくつもある。農林水産省は2007年に青森県の農協に省エネ設備の半額にあたる400万円を補助した。
だが、この農協が経営難に陥り、計画は途中で消えた。農水省の事後評価は「(補助金を出した当時は)十分可能だと思った」の一文だけ。お金は戻ってこない。
農林水産業の総産出額は10兆円。農家への補助金など農水省の年間予算は2.3兆円に達する。
農地の整備、農業施設の建設、そして所得の補償……。産業規模の2割以上を官が支える。
農水省は農産物の輸入を自由化すれば「所得補償を3兆円上積みする必要がある」とまで主張する。
問題は補助金をいくら投じても農業が強くなる兆しが見えないことだ。農業産出額がピークだった84年以降に投じた農水関連予算は90兆円。
だが産出額は同じ時期に35%減った。宮城大学の大泉一貫副学長は「補助金には検証のメカニズムが乏しく、失敗しても誰も責任を取らない」と指摘する。
「補助金漬けが農業の足腰を弱めてきたことは理解している」。農水省幹部は打ち明ける。
補助金の改革を目指す議論は何度も持ち上がった。だが農村票を当て込む政治の圧力は強く、ばらまきは今でも続く。
風穴は開きつつある。農水省が10月に立ち上げる「農林漁業成長産業化ファンド」だ。国と企業が折半して出資し、独自のノウハウを持つ農業関連企業に投資する。
ベンチャーキャピタルなどが農家を探し、最長15年の期間を定めて資金を回収する。投資先が事業に失敗すればファンドに穴が開く。
マネーが農家を選別し、経営を絶えずチェックする仕組みだ。
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